一人選挙
「有権者の皆様、こんにちは。
私は元○○県知事の一人息子でAB党所属の××××です。
私は小さい頃から人々の代表となるようなノウハウを父親から学び、小学校中学年から○○県知事になることを目標にして勉学に励んできました。
高校では生徒会長を務め、大学は東京の国立◇◇大学に進学しました。
いずれは国会議員になって行く行くは総理大臣を目指すつもりです。
その為にもこの県を国の中心都市として発展させ、様々な分野において他の県に先駆けるニューワールドであることをアピールしていこうと思いますので、どうか皆様の清き一票をこの××××に任せてみては頂けないでしょうか。
ご清聴、ありがとうございます」
「有権者の皆様、どうもこんにちは。
私も元○○県知事の一人息子でAB党所属の××××です。
私も小さい頃から人々の代表となるようなノウハウを父親から学び、小学校中学年から○○県知事になることを目標にして私も勉学に励んできました。
高校では私も生徒会長を務め、大学は私も東京の国立◇◇大学に進学しました。
私もいずれは国会議員になって行く行くは総理大臣を目指すつもりです。
その為に私もこの県を国の中心として発展させ、様々な分野において他の県に先駆けるニューワールドであることをアピールしていこうと思いますので、どうか私にも皆様の清き一票を任せてみて下さい。
私からもご清聴、ありがとうございます」
「私はAB党所属の××××というものだ。
有権者の諸君、騙されてはいけない。
他の二人の候補者は嘘を吐いている。
私には分かるのだ。
どの部分が嘘なのかというと、言っていること全部が大嘘だ。
彼らは元○○県知事の息子でも何でもないし、もちろんAB党にも所属していない。
小学校の頃はゲームばかりしていたし、高校時代はスタバに入り浸る毎日を送っていた。
とにかく何もかもが嘘だらけなので、彼らには絶対に投票しないようにしてくれたまえ。
なぜそんなことまで分かるのかという説明は残念ながらできない。
私のことを信じてほしいとも思ってないし、投票してほしいわけでもない。
ただ、まんまと彼らに騙されて票を投じるようなことだけはしてほしくない。
その一心で私はここに立っている。
これは他でもない諸君の為のメッセージなのだ」
では、これより投票を行いたいと思います。
投票が終了しました。
ただいまから開票を行います。
AB党×××× 0票
AB党×××× 0票
AB党×××× 0票
※無記名投票 1
得票同数で新知事が決定しなかったため選挙は無効になりました。
緊急速報です。
今回の知事選に不満を持った県民の集団1名が○○県庁を占拠しました。
どうやら武力行使によって1人の候補者を薦挙する狙いのようです。
現在、戦況は悪化し、船橋で宣教が行われている模様です。
おっと! たった今、1人の警察官が勇ましく突入していきました!
凄まじい銃撃戦が繰り広げられています!
すでに1名の死傷者が出ているとの報告がされています!
果たして私たちの選挙はどうなってしまうのでしょうか!?
――以上、ここまでとなります。Thank you!!