弾いてみたい男 Final Chapter

2019.12.3 
「Living In The One」
録音及び撮影作業、終了
10.19の練習開始からおよそひと月半
俺の挑戦は達成された
これが俺のひと月半の結晶である
 
●感想
疲れた
ブログ更新めんどすぎワロタ
 
練習は1日大体2時間、それを毎日
ウィッチャー3にハマったりノイローゼになってた時期を差し引いたら大体1ヶ月か
思ったより早く終わった
正直もっと長期化すると思ってた
だから敢えてブログはリアルタイムではなく、実際の時間より遅らせた上で、週1くらいのペースで更新していくつもりだった
それでも最終的にはブログの報告がリアルの進捗に追い付いて、曲をマスターするまでに書くことが無くなってしまうと思ったのだ
まさか練習以上にブログの更新がここまで滞りまくるとは思わなかった
曲は1か月半でマスターできたのに、それを報告するブログを執筆するのに3か月くらいかかってしまった
過去にプリパラやクラナドの曲を弾いたときは2倍3倍並の時間を費やしたものだが
ただあの頃は大学に通っていたこともあって、練習できない日があったり、できても短い時間しかできない日などが多かったのかもしれない
いや、今回も教習所に通いながらだったけどね?
 
●反省会のコーナー
そんなこんなで完成した生演奏音源だが、言うまでもなく完璧とは程遠い
低音と高音のバランス、リズムのずれ、ミスタッチなど、挙げ始めたらキリがない
しかし現時点の自分としてはまあまあ満足できる程度のものはできたので、それで良しとした
ノイローゼも治りきってなかったしね
ちなみにカミングアウトすると、録音した音源はPCに取り込んだ後に加工(ミキシング、マスタリングなんて言うと聞こえはいい)をしている
今回施したのは、ノイズ除去とリバーブ(エコー)だ
後、厳密には全体の音量も上げている
本当は低音を小さくして高音を聴きやすくするハイパスフィルターという機能も使う予定だったが、今回はそこまで低音が喧しくなかったので止めにした
ハイパスフィルターに関しては去年の6月あたりから常習的に使ってきた
それほどまでに俺の左手は喧しかったのだ
しかし音質はどうしても劣化してしまうので今後もなるべく使わないようにしていきたい
そもそも演奏動画にそういう加工をすること自体邪道なのだから
一応加工前の音源もこちらに残しておく
しかしここまで加工しても原曲のやわらかさは再現できなかった
恐らく演奏と録音、両方の技術が不足しているためだろう
低音を押さえることばかり気にしていたが、そもそも高音も含めて全体的に強く叩きすぎているように聞こえる
ペダルの使い方に関しても、原曲で一旦音を区切って直後の音を強調していたりするが、その辺の再現も甘い
自分の演奏と原曲を聴き比べてみると、あまりの差に絶望すると共に、原曲の良さを再認識せざるを得ない
つまり俺の演奏は原曲の引き立て役
そういう役どころも悪くない気がしてきた
俺の演奏を聴いた人全員に、原曲の良さが伝われば良い
 
……まあ録音も、普通にゲーム配信聞きながらやってたからね
ゲーム配信をスマホで流しながら、同時にそのスマホで演奏風景を録画してたからね
自分のピアノの音も半分くらいしか聴こえてなかったからね
録画はしていたものの、気分は完全に練習モード
本番のつもりは一切無かった
1ヶ所、明らかにミスったと思う場所があったが、後から聴き直してみたらまったく問題なかった
じゃあそれでいっかぁ~的な軽いノリで終わった
というか終わらせてしまった
特に後悔はしていない(未だ消えぬノイローゼの傷跡)
 
そろそろ締めに入ろう
ブログのネタとして始めた今回の挑戦だが、こうして公の場で進めたことで、ある種の強制力のようなものが働き、結果として最後までやり切ることができたのかもしれない(肝心のブログ更新を投げかけたが)
今後もシリーズを続けていけば、モチベーションも維持できて良いのではと思わないでもないが、その一方で負担も大きい
特に記事の編集作業
本文を考え、画像を編集して、進捗をアップする
楽しいけど、めんどくさい
特に画像を用意するのがめんどくさい
でも画像を使わないで文章だけで説明しようとするともっとめんどくさい
でもなるべく明瞭に説明したい
今後の課題となってくるかもしれない(というか二度とやりたくない)
そもそも動画を作るっていうのがくそほどかったるい
動画にするっていうことは、自分の最大限の技術を一回の演奏に詰め込まなければいけないということ
ミスしたり、躓いたりなどもっての他というもの
特に後半の難所に関しては、常に本番を想定して、可能な限り高い成功率を維持し続ける必要があった
その為の練習、練習 & 練習
これがマジで辛い
できていると思っていた場所がある日急にできなくなって、何回も何回も反復して、それでもできない
しかもそれが1ヶ所だけでなく何個も出てきたりする
こんなんじゃ本番なんていつまでも始めらんねえよ!
正直挑戦を終えた今でもピアノ=時間の無駄だという考えは一ミリも変わってない
俺の場合、録音を終えた曲は2度と弾かない
というか弾けない
すぐに忘れてしまう
記憶し続けるには定期的に練習しなければならない
そんなのできねーよ
そんなわけだから費用対効果が悪すぎる
 
ま、そんなことを言いながらも、すでに次の曲の練習に着手してるんですけどね
こちらも近いうちにアップロードできればいいと考えている
 
 
最後に曲について、ゲームの話も交えながら語っていく
この「Living in the one」という曲は、ゲーム中において別に特別扱いされているような曲ではない
イベントや演出があるわけでもなく大事な場面で流れたりもしない
たくさんの曲の中の一つでしかない
しかしそれでも俺は、この曲はゲーム中において非常に重要な位置付けにあると考えてい
まずこのジャケット画像

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手前が記憶喪失の少女
奥の黒いのがピアノを弾くことで木を育てる演奏家
木が育つと少女の記憶が少しずつ甦り、元の世界に帰れるようになるという仕組み
ネタバレしてしまうと黒い演奏家の正体は少女の兄で、交通事故に遭ったときに少女を助けて死んでいる
その兄は生前、ピアノをよく弾いていた
だからそのピアノを聴くと少女は記憶を取り戻していくのだ
以上を踏まえてイラストを見てみると、この場面が単なるゲーム中のワンシーンではなく、二人の思い出を再現することで少女が記憶を取り戻し、現実に帰っていくというゲームの軸そのものを描いているということが分かるだろう
 
ちなみに散りばめられている光の玉には、触れると木が育つという効果がある
ピアノ以外で木を育てる唯一の方法である
つまり光の玉の中には少女の記憶が詰まっており、その玉がイラストに散りばめられているのだ
 
そして曲名、Living in the one
このような名前の曲が、死んでしまった者から残されたものへ贈られているということ
記憶を失うほどのショックを受けた妹に、かつてと同じようなピアノを聴かせて記憶を呼び起こし、「Living in the one」というメッセージを残すということ
それはショックから立ち直れない(現実を受け入れられない)少女を励ますと共に、いつも側にいるということを伝えて安心させようとしているのだと考えられないだろうか
本当は兄も辛いはず、しかしそれでも妹のためにピアノを奏でる
それは最後の別れの音であり、最後の優しさの音でもある
そんな情緒深いメロディが、曲中には多分に盛り込まれてい
さらに言えば、この悲しさと優しさこそが、このゲームを通して製作陣が描こうとしていたことの本質なのではないだろうかと俺は考えている
つまりメロディ、イラスト、曲名など、すべての要素がゲームの核心に触れているのが「Living in the one」という曲なのだ
 
以上が、この曲の重要性の根拠であり、俺が何年もこの曲にこだわり続けてきた動機である
 
シリーズ ドキュメンタリー オブ 弾いてみた
ここに完結

Living In The One

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それはとても大切な曲
この世界の曲
 
 
その木は、初めは小さな芽だった
ピアノの音を聴いて、どんどん大きく育っていった
その根元で楽譜を見つけた

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曲名の意味はよく分からない
でも聴いていると、なんだかあったかい気持ちになれる
なんとなく懐かしい
まるであの光の玉のような

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それからもたくさん楽譜を見つけて、たくさんピアノを聴かせて、木を育てた
あの天井に届くように

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そして段々と、色々なことを思い出した
ここに来る前のこと

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わたしを助けて、いなくなってしまった人
悲しくて逃げ出してしまったこと
辿り着いたこの場所でも、再び助けてくれたこと
あの曲の懐かしさの正体
同時に、あの日のような別れの辛さも
もう逃げなくても大丈夫
 
今なら分かる
その曲名の意味
living in the one
小さな光の玉、思い出という名の木、そしてわたしの中に
あなたはここにいる
もう一度会いに行くために、あのメロディを奏でる

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弾いてみたい男 Chapter.7 ~試行錯誤~

今回は長ったらしい前置きは無し!
両手で終わりの方から練習してます!
以上!
 
この記事では前回紹介した難所の攻略を図る
現在、最も問題となっているのはこの上段の部分
16分音符の右手、同時押しラッシュ

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現在の運指(指使い)は最も動かし慣れている親指と人差し指ですべて捌くというもの

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しかしどうにも成功率が低い
本当に低い
ネックになっているのは同じ指の同時押し、そして移動距離
高い速度で長い距離を動かそうとすると、どうしても正確さが損なわれてしまう
しかし同時押しなので二本の指を性格に動かさなくてはならない
それでもなんとか努力でカバーしてやろうと、俺は必死で練習した
20回も30回も繰り返し弾いた
それでも上手くいかず絶望の淵に立たされたとき、俺の目に一匹のオタマジャクシが目に入った
あれ・・・・・・?
ここ、意外と距離短くね・・・・・・・?

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脳内に刹那の閃光

こいつを左手で弾いてしまえば・・・・・・?

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今まで、上段にある音は右手で弾かなければいけないという先入観に囚われていた
しかし、左手で補助すれば、多少はマシになるのでは?
この運指にすることで、右手の6連が2連と3連に分割され、間に一瞬の休憩が入ることで、圧倒的に弾きやすくなるのでは?
引き換えとして左手の2連が3連になってしまい、移動距離も増えてしまう
つまり右手だけに集中していた負担を左手に少し分散させる、ということ
これで上手くいくかどうかは実際に弾いてみないと分からない
 
後、ここの左手も

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こういう小指がありえない範囲を移動しなければならない運指から

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このような人差し指が頑張る運指に変えることにしたり

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同じ場所の右手のラも

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直前のドミラを弾いた流れで親指で弾いていた部分を、その後のラを見越して小指で弾いてみることにした

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こうした細かな変更は他にもたくさんあるが、大体は上記のように負担を分散したり、忙しい箇所はその前になるべく忙しさを軽減する、といった要領である

こういった工夫は、両手で弾くまで思い付かなかった
というか片方の手に集中できるなら、ある程度ゴリ押しできてしまうので、工夫する必要も無かったのだ
片手と両手では、こんなにも違う・・・・・・
 
現在、2019.11.13
もうすぐ挑戦開始から1ヶ月
まだまだ先は長い
年内に終われば御の字
続報を待て!
 
☆14日の練習音源

弾いてみたい男 Chapter.6 ~最難関~

シリーズ ドキュメンタリー オブ 弾いてみた
早いものでこのシリーズも6つ目の記事を書くまでに至った
前回、ゲームオブザイヤーの誘惑を振り切って左手の練習に着手
あれから4日
なんだかんだ投げずに左手だけの練習にアホみたく邁進し、ほぼほぼ楽譜を見ずに弾けるようになった(ミスはする)
当初の予定では通しで弾けるようになるまで頑張る予定だったが、右手よろしく煩わしさに襲われ、オープンワールドに行きたくなってしまいそうだったので、思いきって両手で練習することにした!
というわけで、11.9の深夜、両手開始
分かっていたことだがまったく弾けない
片手だけの場合よりも遥かにシビアだ
神経の消耗が尋常じゃない
片手の時は1小節を大まかな区切りとしていたが、今度はそれを一つ一つの音で行う
1つ目の音まで弾けたら次は2つ目、それができたら3つ目
気狂うわ!
1小節弾くまでにどんだけ時間かかんだよ!
でもね、楽しい
一番楽しい
片手はそこはかとなく作業感がついて回ってたけど、両手は正面からピアノに向かって、弾いてる感がすごい
恐らくピアノの練習においてこの行程が一番楽しい
できなかったことができるようになる
しかも片手とは違ってちゃんと完全な曲になってる
だから弾けた時に「あ、やっぱこの曲すげえいいな」とか「あ、今めっちゃピアノ弾いてる」とか思えて高まる
これまでそこそこ色々な曲を弾いてきたが、最も楽しいと感じるのは毎度両手の弾き始めな気がする
ただし!
俺はちゃんと曲を習得するより途中で投げた曲の方が多い
そしてそのタイミングは両手がある程度弾けるようになった時、というケースが少なくない
楽しさの最高潮から徐々に冷めていくというパターン
まあ、何事においてもある程度のレベルで妥協せず、より完成度を高めていくというのが一層難しいのは世の常
つまりこの先には、これまで以上に険しい道が続いているということ
このシリーズがいつ打ち切りになるやもしれない
あるいはこの記事が最終回になるかもしれない
と思えば数年後にひょっこり再開するかもしれない
この挑戦の行方は、誰にも分からない・・・・・・!
 
両手を始めて間もない頃の録音、ほんの一部しか弾けない
 
譜面のコーナー
今回はグチ編
今のところ両手で練習できているのは曲の最後の方のみ(片手と同じように終わりから弾いてる)なので、その範囲でのグチ
まずこの一連の譜面を見てほしい

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最初に言及したいのは16分音符の量だ
この部分はほぼすべての小節に5つ以上連続した16分音符が置かれている

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念を押しておくがこの曲はとてもスロウな曲である
聴いているとなんとも優雅な、英国の貴婦人にでもなったかのような気持ちになれる
それがどうだろう
いざ、自分で弾いてみると
とてつもなく忙しい
そんなデスメタルソングの中でも、このパートの忙しなさは常軌を逸している
このせっまいせっまい5小節
全体の48小節の中のたった5小節
全体のおよそ1割の中に、これでもかというくらい16分音符が出てくる
さも、レギュラーのような顔で
アホか、お前なんかお呼びじゃないんじゃ
とっとと降板してデトロイトメタルシティに帰れ
このパート以外で16分音符が5つ以上連続している箇所は、右手が2ヶ所、左手が1ヶ所
このパートには・・・・・・5ヶ所!?
1~36小節には3ヶ所しかなかったのに、37~41小節に5ヶ所!?
ちなみに4つ連続の場合は別でさらにもう2ヶ所ある

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どうあがいても過労死不可避
絵に描いたようなブラック企業、もといブラックデスメタル(強そう)
 
さて、ここで散々言及している16分音符がどれだけ速いのか、計算してみよう
この曲のテンポは68bpm(beat per second)
つまり1分で68拍(4拍で1小節)
1分は60秒
1拍の長さ(1拍と1拍の間の秒数)を求めるために、60を68で割ると・・・・・・
約0.88
つまりこの曲は0.88秒ごとに1拍が刻まれている
4倍すると3.52なので1小節の長さは3.52秒ということになる
さて16分音符とは1小節を16等分した長さの音である
1小節の16等分ということは1拍の4等分
つまり0.22
この曲における16分音符は1つ0.22秒のペースで弾いていかなければならないというわけだ
※参考動画は68bpmの16分相当、すなわち4倍の277bpm
 
さらにこの3ヶ所は、速さだけでなく距離や同時押しなどの問題もある

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右手の親指と人差し指の四連続同時押しは、ドとレから1オクターブ以上離れているラとドへの移動もあり、精度を維持するのが非常に難しい

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ファ+ラ、ミ、ラ、ファの下り階段からさらに下のシをオクターブで弾く
小指でファを弾いた後、1オクターブ以上離れたシの音への大移動

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極めつけは、やたら長い階段の最後に3つの同時押し

シ→ソ→(1オクターブ離れて)→ド をすべて小指で弾かなければならない上に、最後のド+シ+ドは16分とか関係なく単体で押しづらい
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こうして分析してみると、改めて悪鬼羅刹のような曲である
なぜ曲名が悪鬼羅刹じゃないのか疑問で仕方ない
恐ろしいのはこの譜面など比べ物にならないような凶悪な譜面が、世には五万とあるという事実
全体から見ればこの曲など、レベル2のコラッタも同然
嗚呼・・・・・・
続報を待て!

弾いてみたい男 Chapter.5 ~ただいま!~

現在、11.5
帰ってきたドキュメンタリー オブ 弾いてみた
危うくオープンワールドの住人になってカードゲーム廃人になりかけたが、なんとか世界を救って帰ってきたぜ
しかし、一度失ったモチベーションを復活させるのは容易いことではない
進捗はというと、右手はほぼ丸暗記して、後は一度もミスすることなく通しで弾けるようになるだけ、という段階
なのだがどうしてもやる気が出ない
およそ十日のブランクのせいもあるが、ミス無し、という縛りが本当にダルい
ちょっと気を抜いたらミス
抜かなくてもミス
 
やめじゃやめじゃ
 
というわけで11.5から左手の練習を始めることにした
いやー、わかっていたことだけど、右手よりも遥かにつらいっすね
右手の主旋律に比べてまあ~頭に残ってないわけだ、左手の伴奏は
あれ? この曲、こんな音鳴ってたっけ?
完全に初対面
動画見てもよくわかんねーや
とはいえ左手はあくまで脇役なので、右手並みに非人道的な配置はほとんど無い
リズムもおおよそ単調
強いて言うならこのあたり
人間の可動域を遥かに越えた16分の大移動くらいだろうか

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左手の練習法も概ね右手と同じ
いくつかの小節+次の1音ごとにミス無しで弾き進めていく
あとは曲の終わりから、ミス有りでどれだけ楽譜を見ずに弾けるか、という練習
一小節、楽譜を見ずに弾けたら、一つ前の小節から楽譜を見ずに弾いていく
徐々に覚えなければいけない範囲が広くなる
最終的に最初から最後まで暗譜(譜面を全部覚える)できる
うん、右手でも同じようなことやったよね
厳密には少し違うけど
 
しかしなぜこうも俺は終わりの方からやりだがるのか
なんとなくゴールした感が毎回得られるからだろうか?
少し考えてみた結果次のような仮説に辿り着いた
例えば楽譜見ずにミス無しで一小節ずつ弾いていくとしよう
始まりから弾いていく場合は・・・・・・
一小節覚える → ミス無し通しで弾く → もう一小節覚える → 最初に覚えた方から順番に弾く(記憶に定着していない部分ほど後に弾く)

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終わりから弾いていく場合は・・・・・・
一小節覚える→ミス無し通しで弾く → もう一小節覚える → 最後に覚えた方から順番に弾く(記憶に定着していない部分ほど先に弾く)

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これ、どっちが捗ると思う?
まあ分からないよね
練習効率がどうの、なんていう話は然るべき方々にお任せしましょう
俺が言いたいのは、単純な難しさについてなんだわ
じゃあどっちが難しいのっていう話
当然のことだけど練習した回数が多い部分はそれだけ習熟度も上が
そしてこの2択は、習熟度が低い部分を最後に加えていくか、最初に加えていくかの2択であると言える
自分は普通に考えて、苦手な部分が最後にあると難しいと思ってしまう
ましてや最後に至るまでの道も決して楽じゃない
一つ前に覚えたことを思い出さなくてはならない
その後に、一番習熟度の低い部分をミス無しで弾けと言われたら、泣きたくなってしまう
それなら難しいところは記憶が新鮮なうちに挑んで、それ以降はおぼろ気な記憶を再構成していく方が簡単ではないだろうか(その部分は一度弾けた部分でもある)
つまり気が楽なんだよね、終始、なんとなく
気が楽ーーそれってかなり重要なことだと思うの
音ゲーでもわりとそういう譜面の方が得意だったりするし
最後に難所が待ち受けてると、ずっとプレッシャーかかるもん
後、上でも言ったけど、やっぱ最後まで弾けると達成感もあるんだわ
たとえ最初から弾いたわけじゃなくても、なんとなく最後の締めのメロディを弾くと、やってやった感出るからね
自己肯定感っていうのかね
そういうのも積極的に演出していくことも大事なんすわ、特にモチベが直結することに関しては
というわけで科学的根拠ではなく精神的根拠を提示して今回はおさらば
 
ちなみにウィッチャー3にはクリアした後も重厚な追加ストーリーが用意されてるぞ!
続報を待て!!

ブラック・ジャックOVAをメスのような切れ味でレビュー

ちょっと前にYouTube手塚プロダクション公式チャンネルOVAブラック・ジャックが期間限定で全話公開されていた
ブラック・ジャックOVAといえば、1993年から2011年という非常に長い年月をかけて展開されてきたアニメシリーズであり、作画や演出は原作とはかなり違っているが、そのクオリティは高く評価されている
全12話+劇場版
そんな名作が、寝る前に布団でなんとなくスマホYouTubeを開いたらオススメに上がってきていた
それを見つけるまでは、手塚プロダクションがチャンネルを開設してることすら知らなかっ
過去に一度だけ見たことがあり、その名作ぶりはもちろん既知であったので、テンションが上がってしまった
ちょうど寝落ち用のBGMを探していたところだったので、その動画を入眠の供とすることにした
そしたら面白すぎて、日中も普通に観始めてしまったよ
というわけで、名作ブラック・ジャックOVAを2周した段階で印象に残った話やシーンについて語りたいと思う!
 
 
まずは第1話

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原因不明、感染経路不明、治療法不明、致死率百パーセントという謎の風土病
老人は死ぬ寸前の自分の身体を切り開いて、真相を確かめるようにブラック・ジャックに依頼する
それでも最後までその病気の全貌は判明しなかった……
……その老人は若い頃に発症したが、故郷を出てからは症状が現れず、老後の帰郷と同時に症状が現れ、さらに他の島民も発症するようになった
一見すると老人のせいで病気が蔓延したように捉えられるが、自分はむしろ老人が故郷を出ていた間その身体に病気を封じ込めていたのではと思えた
つまり老人が発症した若い頃の段階で、本来はは他の者にも感染が進むはずだった
しかし何らかの理由で老人の身体に潜伏していたのだが、歳を取って弱体化して病気を押さえることができなくなった
しかしそれでも死ぬ寸前の自分を資料としてブラック・ジャックに託した……
……この話は「病気と戦うこと、病気と共に生きること」を描いているように思えた
 
 

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第2話にはブラック・ジャックのモノローグの中に、非常に印象的な部分があった

例え親子と言えど命は一人ひとり

人は人の命を救うことなどできはしないと本能的に知っているということだ

人ができるのはその死を悼み、一時涙を流すことくらいだと私も知っている

だから

だからこそ私はこんなことをしているのかもしれない

 その死に対して涙を流すだけでなく、その前に幾らかでも「生かす」ことへの努力をしたという証を残すため

その虚しさに少しくらいの喜びを見出す人間がこの世には存在したって良いと思うから

 この語りは原作の「時には真珠のように」という話で、ブラック・ジャックの恩師の本間丈太郎が残した『人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね………』というセリフへのアンサーのように思える

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人間としての立場を弁えた上で虚しい努力を続けることが彼の医療であり生き方なのかもしれない

  

 

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5話はシンプルに面白い

ミステリーチックな構成で出題と回答が明確に提示されている

そして何よりハートフル

とある村に伝わる唄を唄うことで、そこに住む老人と心を通わせるシーン

その村は内戦によって滅んでおり、老人は最後の生き残りだった

つまりその唄を知っている者は老人1人だけだと思っていたのだ

 

 

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7話も普通に話が面白い

国際医師連盟なる組織の登場、医師免許の有無、執刀の権利など、どことなく医療ドラマっぽい

医者のいない難民キャンプで1人1ドルの借用書(無利子)を書かせ、貧しい難民たちを診療したブラック・ジャック

普段は「私は慈善家じゃない」と言い、高額な治療費を請求する彼だが、こうした人間臭い一面もある

ある意味では医師免許を持ってない彼が、誰よりも自由に医療を行使しているのかもしれない

トランクケース一杯の借用書を見て、1ドル分の価値しかないので捨てようとしたピノ子に対し、「悪いが大事なものなんだ」とブラック・ジャックが制止するシーンもある

地味にOVAで一番かわいいキャラが出てくる

 

 

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8話

一番好きな回

幼い少年の全身に憑りついた蔦は切られようとしている大樹の呪いかと思いきや、自分が枯れる前に昔の約束を思い出してほしいというメッセージだったという超絶ハートフル回

その木を「親友」と呼ぶ一人の老人、アルマンド

道路開通のために木を切ろうとなっても、その決定に最後まで反対する老人

如何にも仙人然とした老人だが、かつては相当なクズで人も殺している

子供の頃には木の声を聞いていたらしく、その木を大変神聖視している

こうして書くとなんともキチガイじみた老人のようだが、アルマンドが行きつけの酒場で、道路工事を進めている役人と遭遇した際の一幕では、

●役人

アルマンドさん

申し訳ないがダメだったよ

なんとかあの木を切らなくて済むように、コースの変更を会議で提案したんだ

だがダメだった

 

アルマンド

そうすか……そうすか……(大量の涙を流す)

一見なんの変哲もないシーンだが、このシーンはアルマンドが初めて敬語を使ったシーンである

それまでのアルマンドの粗暴な印象が、一転して弱々しいものになっていて、それが無性に心に残った

おそらくアルマンドは、役所もそれ以外の村人も、全員が道路の開通を切望しており、伐採は避けられないことを本能的に理解しているのだろう

だから役人には強く当たらない

当たっても仕方ない

もはや泣くしかない

粗暴な印象の中に潜む弱さ、これがアルマンドの大きな魅力である

患者の父親に八つ当たりで突き飛ばされた時も、何も言い返さなかったし

かつて自分に嫌気が差して首を吊ろうとしたが、結局死ねずに生き長らえており、そんな自分に涙を流すというシーンもある

 

 

9話

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個人的に一番おもしろい回

そして一番話が重い

とことん報われない

今回は病気にまったく太刀打ちできず、ブラック・ジャックがほとんど仕事を果たせなかったパターンだが、それだけにとにかく四苦八苦、試行錯誤を重ねて、なんとか病気を解明しようと奔走する姿が盛り沢山に描かれている

そういう過程も医療の一部、ということだ

なぜかやたらとピノコがかわいいシーンが多いのは、本筋の重苦しさとバランスを取るためだろうか?

 

 

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10話は珍しく(というかOVAでは唯一かも?)リハビリのシーンがある

ブラック・ジャックのロマンス展開はOVAを通して様々な女性と繰り広げられているが、この話のヒロインが最も強いフラグを立てていたのではないだろうか

リハビリのシーンでも、患者への思い入れが強調されているように思える

 

 

11話

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美しき姉妹の絆

オカルト VS 医学 って感じの回

この話はピノコが腫瘍から人間になった時の話も見れるので、かなりお得

 

かつて女性は自分の身体から切り離した腫瘍を捨ててほしいと言った

その腫瘍が自分の妹だと知っても、それを受け入れなかった

しかしその一方で妹との約束を果たし、自分達の呪いを解こうとしていた

そしてそのために妹であるピノコが自分の一部を姉に授け、病気を克服

姉妹はそれぞれの道を歩む

腫瘍だった妹が人間として生きていると知った時、女性は妹に会わせてほしい、と頼んだ

しかしブラック・ジャックはそれを拒絶してしまう

そんな彼女の部屋の前にピノコが現れ、二人は障子越しに話をする

姉の方を妹に会わせるのは嫌だが、妹の方から姉に会いに来るのは咎めない、ということだろうか?

 

* 

 

最後に総括すると、OVAブラック・ジャックは8話のアルマンドを筆頭に魅力的なおっさんキャラが非常に多い

ほぼ1話に1人ペースで出てくる

そして作画が劇画調になっていて、全体的に重苦しい

原作や他のアニメ作品と比べると、かなり大人向けのブラック・ジャックと言える

それ故に見応えがあり、人気も高いのかもしれない

 

ちなみに現在、手塚プロダクション公式チャンネルにおいて、OVAスタッフによる劇場版が12/12まで期間限定で公開されている

興味があれば是非ご覧あれ